2/01/2018

慶長 縫い・摺箔

◆慶長の染織
日本の芸術文化において”美の最盛期ルネサンス”、桃山時代はまさに文化の黄金期
といえる時代である。
この桃山文化(染織)の特徴は何と言っても絢爛豪華、煌びやかな世界。
柄行きは大胆で大きく、金の摺り箔の上に色彩豊かな刺繍がたっぷりと施してあり、
時代の最盛期をあらわしている。


しかし江戸初期の慶長に入ると外向きであった柄行きががらりとかわり、内向きでより
緻密な柄行き(刺繍)へと変化していく。
縫い・絞り・摺箔のパターンは同じだが、劇的に構成がかわり、色彩は深みのある茶か黒、白、朱といったものが多く、生地は綸子、そして絢爛豪華だった刺繍は縮小し
より細密で、自然に近い形に変化していった。
そこには大胆さと緻密さが織り交ざった桃山とはまた違った豊かさがあり、
まさに慶長の染織最大の特徴といえる。


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